ざわざわとした観客の声が静まり,開演のブザーの音が鳴り止む。一瞬の静寂,漆黒の闇となった舞台に幕が開く。差し込む光,世界を幻惑する光,嘱望の光,この舞台に時の息吹を起こす光,スポットライトが,眩しい。
トランスメタ社は来週,ニューヨークで開かれるPCエキスポで,クルーソー・チップを採用するノートパソコンのメーカー数社を発表する予定だ。情報筋によると,IBM,NECがクルーソーノートPCを披露する予定。
すでにAOLとの絡みでインターネット端末でのクルーソー採用を発表しているゲートウェイ社も含めて,ビッグネームが取りざたされている。AMDがそうだったが,なかなか新興チップメーカーはメーカーからの信用を得にくい。わずかずつ信頼を築いていくのが普通とすると,クルーソーの採用メーカーは,驚きに値する。期待か,羨望か,はたまた時代の要望か。
今こそ,日の下にさらされる日がやって来た。眩しすぎるスポットライトの中で,その破格の待遇に答えられるかどうか。秘密をなくしたトランスメタに当たる光は,何を映し出すか?(追伸。トランスメタにノートPCメーカーか集まるのを見て,なぜアップルが今までまともなノートPCを出そうとしなかったのか,の答えがないだろうか。すなわち,今までノートPCには,革命がなかったのだ,と)。
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